お風呂の排水溝掃除は、多くの人にとって億劫な家事の一つではないでしょうか。ヌメりや悪臭、そして頑固な詰まりなど、厄介な問題がつきものです。今回は、普段私たちが抱える排水溝の悩みを解決すべく、ハウスクリーニングのプロフェッショナルが実践している掃除のコツと、家庭でできる効果的なケア方法についてお話しします。 プロが口を揃えて言うのは、「詰まる前の予防が最も重要」という点です。日常的な簡単なケアを怠ると、汚れが蓄積し、やがて頑固な汚れや詰まりに発展してしまいます。プロがまず推奨するのは、入浴後にヘアキャッチャーに溜まった髪の毛を毎日取り除くことです。これは基本中の基本ですが、実践している人は意外と少ないかもしれません。 次に、排水溝のパーツを全て取り外し、月に一度は徹底的に洗浄することを勧めています。特に、ヘアキャッチャーの裏側や、排水トラップの内部は、石鹸カスと皮脂汚れが混ざり合ったヘドロが付着しやすい場所です。使い古した歯ブラシや柄付きブラシを使って、丁寧に擦り洗いすることで、ヌメりや臭いの発生源を断つことができます。この時、浴室用洗剤を直接吹き付けて数分放置してから擦ると、汚れが落ちやすくなります。 プロが重視するのは、汚れの性質に合わせた洗剤の選び方です。一般的なヌメりや石鹸カスには中性洗剤が効果的ですが、頑固なカビには塩素系漂白剤が、水のカルキ汚れには酸性洗剤がそれぞれ有効です。ただし、塩素系と酸性洗剤を混ぜると有害ガスが発生するため、絶対に併用しないでください。どちらか一方を使用し、十分に洗い流してから次を使用することが大切です。 また、意外と見落としがちなのが、排水溝の奥、手の届かない部分のケアです。プロは高圧洗浄機など特殊な機材を使用しますが、家庭では市販の液体パイプクリーナーが有効です。定期的に流し込むことで、奥に溜まった髪の毛やヘドロを分解し、スムーズな排水を保つことができます。製品の指示量を守り、決められた放置時間を守ることがポイントです。 最後に、プロは「換気」の重要性を強調します。浴室内の湿気は、カビや雑菌が繁殖しやすい環境を作り出します。入浴後は必ず換気扇を回し、窓を開けるなどして浴室全体を乾燥させることを習慣にしましょう。これらのプロのコツを参考に、ご家庭でも清潔で快適なバスルームを維持してください。
排水溝掃除のプロが教えるコツ