新しい生活を始める引っ越しは心躍るものですが、家電の設置に関しては予想外の苦労がつきものです。私が以前経験したマンションへの入居の際、最も手を焼いたのが洗濯機の排水ホースの取り付けでした。引っ越し業者が洗濯機を防水パンの上に置いてくれたまでは良かったのですが、いざ自分で排水接続を確認しようとすると、排水口の位置が洗濯機の真下に来ており、手が届かないという事態に直面したのです。最近のコンパクトな防水パンでは、排水口の位置が隅に寄っていないことも多く、このような設置の問題が頻繁に起こります。そのまま無理にホースを繋ごうとすると、ホースが押し潰されてしまい、正常な排水ができなくなってしまいます。私は慌てて近所のホームセンターへ走り、洗濯機をかさ上げするための専用の台を購入しました。このかさ上げ台を使用することで、洗濯機の下に約10センチの隙間を作ることができ、ようやく排水口へのアクセスが可能になりました。隙間ができたことで、排水ホースを緩やかなカーブを描きながら接続できるようになり、水の流れをスムーズに確保することができたのです。また、このかさ上げには意外な副産物もありました。洗濯機の下に空間ができたことで、普段掃除機が届かなかった場所まで綺麗に保つことができるようになり、排水口周りの湿気対策にもなったのです。もし、これから設置を考えている方がいれば、必ず事前に防水パンの形状と排水口の位置を確認することをお勧めします。また、古い排水ホースをそのまま流用する場合、ゴムの劣化による亀裂がないか、内部に長年の汚れが固着していないかも入念にチェックすべきです。私の場合、結局ホースも新しいものに交換しましたが、その際にエルボと呼ばれるL字型の接続部品が排水口にしっかりと固定されていることを確認しました。ここが緩んでいると、排水の勢いでホースが外れ、階下への水漏れ事故という取り返しのつかない事態になりかねません。苦労の末に正しく設置できた洗濯機が、ゴボゴボという快音とともに水を流していく様子を見たときは、言葉にできないほどの達成感がありました。排水という地味な工程こそが、洗濯機を安全に使い続けるための要であることを痛感した出来事でした。